いつ?
|
オススメはこれ!
|
こんな感じだ
|
'02年01月
|
彭羚
給我唱過的男孩們
SONY 506382.2
|
この1月に香港コロシアムで演唱會を開いた彭羚。それにあわせてリリースされたアルバム。全曲カヴァーという彼女としては初の試みである(非公式盤では過去に1枚あるが)
カヴァーしたのは香港・台湾で活躍している男性歌手達のヒット曲だ。それも特にカラオケでリクエストの多い曲ばかり。
カヴァーはこのところ、世界規模でトレンドになっており、トーリ・エイモス『Strange
Little
Girls』などはこのアルバムと同じく、全曲が男性歌手の曲のカヴァーアルバムだったりする。
謝霆鋒の「非走不可」で始まるが、ストリングスをたっぷり使った厳かでドラマティックなアレンジで彭羚の持ち歌、といわれても分からない位にハマっている。最近の彼女自身の曲は軽く唄う曲が多かったのだが、やっぱりこんなに熱く唄える力がまだまだあるのだ。
陳奕迅の「K歌之王」も彼のverはペーソス感が漂う出来だったけど、彭羚はじっくりと歌いこんで別の魅力を引き出している。これはアレンジを担当してる梁基爵@人山人海、の仕事が素晴らしい。
個人的に特にお気に入りな3曲目は黎明の映画主題歌のカヴァー。これも李端嫻@人山人海、がアレンジを担当。ヴォーカルにたっぷりかかったリバーヴが浮遊感を出していて心地よく酔える。
今年の春節前の賞取りで頑張った許志安の「爛泥」、香港でも大人気の周杰倫の「黒色幽黙」、コハルの「取消資格」、張學友の「情書」、李迪文や張國榮の「追」などなど、それぞれのファンであればぜひ聴いてみたくなるようなラインナップ!
ある意味、こんなに戦略的なアルバムもない(笑)
ぜひ、その戦略に絡め囚われてみてください。名曲が美しい声で聴ける、というシアワセが待っています。
|
'02年02月
|
Pat
Metheny Group
SPEAKING OF NOW
Warner 9362-48025-2
|
ここ数作はブラジル音楽やアジア音楽など、いわゆるワールドミュージックの要素を取り入れて、独特のテイストを感じさせてくれていたが、本作では元々の路線に戻った感じ。でもそれは元の位置に戻ったわけではなく、例えれば螺旋階段を上ってぐるりと一周、のように同じ場所なのだけど一段高みに上っている様な。それまでに通過してきた音楽のエッセンスをしっかり吸収した上でのことなので、それらの香りは作品のあちらこちらから感じることが出来るわけだ。
誰にでもオススメできる極上の音楽です。(CD屋ではjazzのコーナーにあると思いますが)
2)緊張感、スピード感がいい。メセニーの指がフレットの上を滑っているのが目に見えるようだ。ブレイクの後に出てきたラッパはメセニーのギターシンセかと思ったら、ラッパの人がいたのね(いたっけ?) その後にメイズの凄まじいピアノのプレイが! 10分の長い曲なのにちっともそんなこと感じさせない。
3)ヴォイスを綺麗に使ったバラード。メセニーのガットギターとメイズのシンセパッド、そしてヴォイスのコーラスが美しく混ざり合う。
4)『アメリカン・ガレージ』の頃を思わせるような、陽光きらびやかなイメージのサウンド。メイズのデチューントーンのシンセとメセニーのギターとのユニゾンも懐かしい。ロドビーのベースもブイブイいってます(笑)…しかし、メイズのバッキングって鳥肌が立つほど格好いいなぁ。
6)色々な世界が見える。非常に複雑な構成の曲だなあ。狭い路地の角を曲がると別の町並みが見えてくる、みたいな。
7)これぞパットメセニーグループ、という感じ。後半の展開は凄まじい。
|
'02年03月
|
戴愛玲
『MAGIC』
VERGIN VD-0203
|
EMIのVerginレーベルが強力にプッシュする新人。
デビュー前には趙詠華の「I will
smile」にコーラスとして参加している。
同じEMIの順子がコーラス(4曲目)やVo.のプロデュース(Keith
Stuartと共同で4,5,8曲目)で関与。アルバムを聴いてみるとすぐに分かるのだが、曲やアレンジ、コーラスなどの感じが極めて良く似ている。Vo.を抜いたverを聴かされたら「これは順子の新譜」と言われても納得してしまうだろう。(←多分、順子の熱烈なファンほど)
アレンジャーとして順子のアルバムに参加していたKeith
Stuartがプロデューサーであるのが大きい。
どうしても順子を意識してしまうので、いっそのこと順子との比較をしてみよう。
順子がいわば完璧な完成品としてデビューしたのに比べると、戴愛玲はまだ方向が決まってない未完成部分がある。それでも歌は上手く若いので大きく期待して良さそうだ。
順子はR&BとJAZZをルーツにしてるが、戴愛玲の場合はおそらくシャウト系のROCKとR&Bと思われる。声や歌い方はわりと似ているが戴愛玲の方が太くパワフルかな。荒削りで押しが強すぎる感じも少しあるので、繊細さや説得力では順子にかなわないけどね。
1)もう、曲もVo.も誰が何と言おうとマンマ順子、それも最近の。これ一発で歌の上手さが良く分かる。曲中の彼女のラップのキレも良く、非常にノリのいいキャッチーな曲。
2)カヴァー曲。かなり難しい曲だけどちゃんと唄いこなしている。彼女の技量が良く分かる。
3)これも意識しないで聴くとイントロからの雰囲気で順子と間違える(^-^; スローバラードもしっかりこなせるなぁ。
4)順子自身がコーラスで参加(Vo.プロデュースも)なのでやはり順子カラーが強い。戴愛玲の熱い歌声と順子のクールなコーラスのコントラストが美しい。
6)ヘヴィーなギターリフのROCK。彼女のパワフルさがよぉぉく出ている。バンドの女性ヴォーカリストとしてやってけるな。
8)松岡直也風味のラテンフュージョン曲。(例えれば中森明菜の「ミ・アモーレ」) スピード感溢れる曲。なんとも格好いいです。
10)えらくかっちょいいノリノリ(死語)のROCK。シャウトする彼女はROCK姐ちゃん(^-^;
エンハンスドCD仕様でMTVが1曲収録されているのでパソコン等で見られる。かなり今風のモデルみたいな女性だなー。他のクリップも見てみたい。。。
ps.4月の香港でチャンネルVで彼女のライブをちょっと見る機会がありました。そこでは順子の「回家」もカヴァーしていました。結構、若い感じでした。雰囲気としてはプリンセスプリンセスの奥居香みたいな(^-^;
|
'02年04月
|
易斉
『第一張[創作]專輯』
豐華唱片01-20188
|
ハイトーンヴォイスで繊細なイメージの台湾の新人シンガーソングライター。声は張信哲とかを思い起こす様な感じで、とても丁寧に唄う人だ。
基本的にヴォーカルのバックはアコースティックギターのみで伴奏される曲が続く。このギターがまた上手く、えらくかっちょいいのだ。彼自身もギターを弾くし、このアルバムのアレンジャーのDon
Rossもギターを弾いて参加している。ギターの伴奏だけを聴いていると、ウインダムヒルとかのイメージ。そう、醸し出される雰囲気が洋風なのだ。北京語で唄われているのに湿度を感じさせない。
小さなライブハウスとかで彼ともう一人ギタリスト、なんていう感じが一番似合いそうだなぁ。彼の声はアコギに良く似合うし、曲もまたしかり。夜、寝る前とかに聴くととても心安らかに眠れるような気がするアルバム。
歌詞のリフが印象的な「Himalaya」と、軽い感じの「單人床與冰箱」がお気に入り。
|
'02年05月
|
Deep
Forest
『MUSIC.DETECTED_』
SAN-506355.2(輸)
|
Deep
Forestの久々(四年ぶり)のオリジナルアルバムである。4枚目となる今作であるが、アジアに無事到達して、いよいよ地球一周完了か、といった感じ。
聴き始めていきなりびっくりさせられる。いかにもDeep
Forestなイントロ、と思いニヤリとすると、次に聞こえてくるのはヘヴィなギターのリフだ。まるでハードロックバンド…で、曲が始まるとインド〜アラブ風のメロとヴォーカル。この早い展開にくらくらとする。
今までの彼らの音づくりはダンスアレンジのベーシックなトラックに世界各地の音楽を乗せる、という感じであったが、今作はもう少し素材そのまま、という感じで融合を試みている感じだ。二つ(あるいはそれ以上)の生い立ちの異なる音楽を同じ土俵の上にのせ会話して気があって結婚、という…なんていうか見合いみたいな(爆)ドラマがそれぞれの曲に感じられるのだ。ジャケットの四人?の女性の合成(でもモーフィングとかして無くそのままの姿で組み合わされる)写真がこのアルバムのスタイルを表しているのではないか、と思う。
その試みの中で一番成功しているのが、10)「Will You Be
Ready」だと思う。Angela
McCluskeyと元ちとせの二人のヴォーカルがそれぞれのフィールドの音楽で歌い始め、どんどん境目が無くなり、最後には融合してしまう様はとても心揺さぶられる。「糸繰り節」をベースにしたこの曲を唄う元ちとせの声は実に凛としていて格好よい。
4)テクノ音楽へのシャレ、みたいなコンピュータヴォイスが可笑しい。ウチのMacも同じ声で喋ることが出来る(^-^;
6)Eric
Mouquetのヴォコーダーがなんとも近未来的(笑) とてもスピード感があって好きな曲だ。
|
'02年06月
|
Avril
Lavigne
『Let Go』
ARISTA 07822-14740-2
|
ジャケ見ると分かるように、ホントそこらにいるストリートなヤング少女(言葉変)である。17歳だそうだ。
…うーん、凄い。スタイルとしてはシェリル・クロウやアラニス・モリセットに近いが、持ち前の若さを最大限に活かしたスピード感とパワーは彼女たちを凌ぐ。バックも実にツボをついた演奏でハードに盛り立てる。
彼女のヴォーカルはパワフルではあるが、実にきっちりとコントロールされており、どの曲を聴いてもすんなりと入り込めるのだ。また、曲もバンドサウンドのロックでかなりキャッチー&ポップである。…だけど、あくまでロックの範疇でのこと。聴いていてキレがあってカッコいい!
アルバムの途中でダレることなく最後までぐんぐんと引っ張って行かれる。
一番キャッチーでカッ飛びな「Sk8er
boi」、美しいバラードの「Tomorrow」がいいねぇ。
'95年頃の王菲にカヴァーさせてみたい軽快な「Things I'll Never
say」と高揚感のある「My World」の2曲もとても好きだ。
梅雨でジメジメした気分を吹き飛ばすには最高の一枚(^-^)
|
'02年07月
|
江美
『再一次也好』
Virgin VD-0206
|
一言で言えば、ものすごく地味なバラードアルバム。
んで、こう書いてしまうと大概の人は「ふーん、台湾じゃ良くあるタイプだよね」って通り過ぎてしまうに違いないと思うんだ。
仕方ないからハッタリも少しかませて、こう言ってみる。「今の台湾でバラードを唄わせたら素晴らしい声と表現力で3本の指に入る女性歌手のニューアルバム」
どう?これならちょっと気になるよね。実際に私自身、本気でそう思っている。小美(江美)の歌声は言葉の違いを乗り越えて、私の気持ちの中にじんわりと染み込んでくる。
地味な、という言葉は適切じゃないかもしれない。デリケートな出来、という感じか?出来上がったカラオケに合わせて1テイクでOKという作りではない。お菓子に例えれば、ケーキでもチョコレートでもなく、和菓子のイメージ。くどくない優しい甘味、ひとつひとつ丁寧に作られた感じ。聴く側もその素晴らしい仕事の結晶をひとつひとつじっくりと味わおうよ。きっとこのアルバムがとても愛おしくなる。嬉しい1枚になる。
2)と6)は沢田知可子「会いたい」のカヴァー。私は原曲よりも優れている、と思う。この曲のプロデュースは陳珊、生ギターで陳綺貞も参加している。6)のAcoustic純情版はアルペジオの生ギターに合わせて唄う。多重録音の彼女自身のコーラスも柔らかく美しい。曲中、一瞬、彼女のコーラスだけなるが、鳥肌モノの美しさ。
5)陳珊の作詞、曲、プロデュース。ふわーーーっと落ち葉が舞い上がる様なスローバラード。まるで映画のエンディング曲みたいに私は感じた。
7)東京タワーや東京の街が舞台。作曲は郭子で、彼らしいしなやかなメロディがいい。小美の歌声も見事に情景を映し出してくれる。
10)深白色の切なさ溢れるメロディがなんともいえない。幻想的で浮遊感あるアレンジは元dMDMのKBの李雨寰(彼は9もコーラス、アレンジで頑張っている) 小美の切々としたヴォーカルが沁みる。
11)このアルバム唯一のPOPチューン。軽快! カントリーフォークのスタイルでさらっと仕上げてあるのは、アルバム全体のバランスを崩さなくて正解。楽しそうに唄う小美の顔が浮かんでくる。
okuyamaさんの小美のサイト、詳しいです。ぜひどうぞ!
|
'02年08月
|
Mike
Oldfield
『TresLunas』
wea 0927-458922
|
Chill
Out仕様である(^-^;(アルバムにそうシールが貼ってあった)Chill
Outってのは、ダンスフロアでオーバーヒートした状態をクールダウンさせるための音楽。あくまでもそれまでのノリをスポイルするようなものではダメ(白けさせてはイケナイ)なので静かな曲ならなんでもいい、というわけではない。リズムを内包した美しいメロディ、そしてうっとりするような恍惚感があること、が条件だ。
このアルバムは確かにその条件にピッタリとマッチする。基本的には打ち込み主体のインストの曲が続くが、彼の弾く有機感あふれるギターのフレーズのおかげで必要以上にタイトにならず心地よい。包み込まれるようなシンセの柔らかいパッド音…ジャケットのイメージそのままに宇宙空間を漂ってるような浮遊感に身をまかせて浸る。
シングルカットされた「To Be
Free」は突然、霧が晴れたような感じだ。メロディはPOPだけどこのアルバムの中で浮くことなく、なんというか…そう、一種のハレルヤな感覚(ってヘンな言い方だけど)がある。あぁ、なんて気持ちがいいんだろう。ヴォーカルは彼の姉のSally
Oldfield。
…余談だが10/25にMikeとSallyのグループ「サリアンジー」のアルバム『children
of the
sun』が再発される。今の彼とは音楽形態は違いこそすれ彼の根っこの部分に触れることが出来るかも。
|
'02年09月
|
Under
World
『A
Hundred Days Off 』
V2CP-140
|
いやー、なんだかハマったなー。上昇感があるんだよね。POPなメロディラインも耳にしっかりと残るし、リズムの打ち込みもすんごく気持ちいい。今年の私はフロア系の音に凄く惹かれる。程良い気持ちよさが延々と続く、、みたいなところに。
勿論、ドラマティックな「起承転結」音楽もそれはそれで大好きなんだけど、このまま(=気持ちよいまま)永遠に続くんじゃないかと思えるような曲。この曲もそうなんだ。
|
'02年10月
|
MondoGrosso
feat. BoA
『Everything
Needs Love』
AICL1397
|
大沢伸一(birdのプロデューサー、2002
FIFAワールドカップ国際オフィシャルアルバムの日本代表、DJ、などで有名)のプロジェクトであるモンドグロッソ(MondoGrosso)だ。ノルな、というのが無理なほどスピード感、躍動感溢れるダンスチューン。気持ちよさ満開。達者なヴォーカルを聴かせてくれるのはあのBoAである。英語でも実にそれらしく唄うなぁ。日本の若手にはとてもじゃないがここまで唄えないだろう。素晴らしい組み合わせだと思う。二人でアルバム作ってくれないかな。
|
'02年11月
|
一青 窈(ひとと よう)
『もらい泣き』
コロムビアCOCA-15446
|
タイトル・チューンはSting 「 Englishman In New
York」と135「我愛」と久保田早紀「異邦人」を合わせた様なメロディ、アレンジ。
アジアを感じさせる節回しにレゲエのリズム。サビのフレーズがイヤでも耳に残る。父親が台湾人、そして本人も台湾育ち、というプロフを意識したかなり確信犯的な作りの曲だ。
歌は上手い。声も芯があって強い。ピアノをバックに唄う2曲目「翡翠」などは硬質にした鬼束ちひろ、という感じでもある。(蛇足ながらこのタイトルも中華なイメージだね。全曲、作詞は本人) 立ち位置としては元ちとせとかと列ばされる気がするが、元は基本的にルーツを継承した音作りをしていて違う感じがする。
どこ風とも言えない様な漠然としたアジアな感じを上手くイメージした曲作りをしてくれたら楽しみ。
PS.12/18にアルバム『月天心』がリリースされた。写真を見てみたら、かなり前もって想像していたイメージと違っていて若い華奢な感じの女性であった。アルバムの出来は…うーん。こちらもイメージがちょいと違う感じ…かな。アルバムの最後に陶もカヴァーしていた中華スタンダードソング「望春風」が入ってるけど、こんな感じでアルバム全体のカラーをまとめて欲しかった…。
|
'02年12月
|
the
brilliant green
『THE WINTER ALBUM』
DFCL-1087
|
この年末、一番聴いてるアルバムはこれ。
キュートでイカス曲が満載。聴いているとなぜかドキドキしてくる。
6〜70年代のビートポップスのエッセンスに今風の要素をささっと振り掛けたサウンドはシンプルに聞こえるけど、よく考えられていてとても完成度が高い。雰囲気としては韓国のTHE
THEの1枚目とかと共通する部分があると思う。
鳥肌モノの1曲はシングルが出て即買ってしまった9曲目の「
Rainy days never
stays」 この曲の素晴らしさ、格好良さったら! ヴォーカル、アレンジ、メロディライン…全て完璧(^-^) 日本にもこんだけ素敵な音を出せるバンドがいることが嬉しい。
|